
その子は、元保護猫のキジトラでした。
うちに来て2年ほど経った頃、初めて“てんかん”だと分かりました。
最初の異変
最初に異変に気づいたのは、寝ているときでした。
突然、体がピクピクと動き出して、痙攣のような様子に見えたんです。
そのときは一瞬、寝ぼけているだけなのかな?と思いました。
でも同じようなことが何度も起こるようになって、心配になり病院へ連れて行きました。
そしてそこで、てんかんだと診断されました。
正直、そのとき初めて知りました。
てんかんって、人だけじゃなくて動物にもあるんだと。
てんかんと診断、投薬
てんかんは治る病気ではないと、病院で言われました。
できることは、薬で発作を抑えていくことだけ。
それからは、毎日欠かさず薬を飲ませる日々が始まりました。
そのおかげで、発作は最初の頃に比べてだいぶ落ち着いてきました。
「このまま発作が起きずに、元気でいてくれたらいいな」
そう思いながら過ごしていました。
別の問題が発覚
でも、その裏で別の問題が起きていました。
毎日続けていたてんかんの薬が、少しずつ腎臓に負担をかけてしまっていたんです。
てんかんの薬はやめるわけにはいかない。
でも、その一方で腎臓への負担も気になる…。
どうしていいのか分からないまま、日々を過ごしていました。
そんなある日、今までで一番ひどい発作が起きました。
これまでは軽い痙攣程度だったのに、そのときは違いました。
激しい痙攣に加えて失禁、そして今まで聞いたことのない鳴き方。
「これはただ事じゃない」
そう思って、すぐに病院へ連れて行きました。
黄疸と輸血、ステロイド
診察の結果、黄疸が出ていると言われました。
そのときも、正直驚きました。猫にも黄疸が出るなんて、知らなかったんです。
毎日見ていたはずなのに、気づけなかった。
言われてみれば、耳の内側が他の子よりも黄色く見えていました。
自分なりに、黄疸についてインターネットで調べました。
「何か治す方法はないのかな…」
そんな思いで、必死に情報を探しました。
でも、調べていくうちに黄疸が出ている場合、余命が長くないことも知りました。
その事実が、とてもつらかったです。
病院では、ステロイドを使ってみようと言われました。
少しでも良くなる可能性があるならと、迷わずお願いしました。
また自分でもステロイドについて調べました。
いろいろな情報があって、不安もありましたが、それでも「元気になってほしい」という気持ちの方が強かったです。
でも、状態は良くなるどころか、どんどん弱っていきました。
もしかしたら、効果はなかったのかもしれない…
そんなふうに思い始めていました。
そして今度は、輸血が必要だと言われました。
病院の先生から、「おうちの他の猫ちゃんから輸血してみましょう」と言われました。
その当時、うちにはフータとキナコがいました。
(ラムやポコリンは、まだいない頃です)
キナコよりもフータの方が若かったので、すぐにフータを連れて病院へ行きました。
フータから血液を採り、検査の結果、輸血が可能だと分かりました。そのまま、お願いすることにしました。
「これで少しでも元気になってくれたら…」
そんな期待を抱いていました。でも、状態は変わりませんでした。
もう助からない…ホントは分かっていた
フータにまで負担をかけてしまったのに――
そう思うと、すごくつらくて、正直ガッカリしてしまいました。

自分の中では、もう助からないだろうと分かっていました。
認めたくはなかったけど、その子からかすかに“死臭”がしていたからです。
てんかんが分かってから、薬を飲ませ続けてきました。
その結果、腎臓に負担がかかってしまった。
あのとき、てんかんだと分かったときに発作を抑える薬を使わなかったら――
もしかしたら、今も生きていたのだろうか。
そんな考えが、何度も頭をよぎりました。
でも、あの発作を目の前にして、何もしないなんて選択はできませんでした。
どちらを選んでも、その子にとってはつらい道だったのかもしれません。
保護猫としてうちに来たときは、元気な子でした。保護主さんからも「去勢手術も済んでいて元気です」と言われて迎え入れました。
それから2年後に、てんかんだと分かりました。
それが突然発症したのか、もともと持っていたのかは、今でも分かりません。
今の我が家…
今、うちには4匹の猫がいます。
みんな今は元気で、てんかんもありません。
でも――
ある日突然、同じことが起きるのではないか。そんな不安は、どうしても消えません。
同じ思いは、もうしたくない。
でも、もしまた誰かがてんかんになったら――
私はまた、薬を使うかどうかの選択に迷うと思います。
そしてきっと、同じように悩み続けるのだと思います。
うちに来てから、一緒に過ごせたのはわずか8年でした。今でも、あの子の特徴のある鳴き声は忘れられません。
助けてあげられなかった。
もしかしたら、私のことを恨んでいるかもしれない――
そんなふうに思ってしまうこともあります。
それでも、私なりに精一杯やったつもりです。
あの子がいなければ、動物にもてんかんがあることも、黄疸になることも、きっと知らないままだったと思います。
あの子が教えてくれたことは、これからも忘れません。
そしてこれからも、
あの子はずっと、私の中で生き続けています。
治療が続く中で気になるのが費用の問題ですが、ペット保険についてはこちらの記事でまとめています。


コメント